マー君(原作)

昨日の事件で朝、学校に報道陣がかけ寄せてきたが、今は静かだ。どうやら学校の警備員がうまくやってくれたのだろう。それともこれは嵐の前触れなのか?

あのマー君の放送。

あれを見て報道陣が動かないはずがない。マー君に関する事件が目の前にあるのならなおさら。

桂子はぼんやりと職員室の窓が並ぶ方を見ていた。

今日も青天で、風が気持ちよさそうだ。こうしていると、この騒ぎも嘘のように思えてくる。

が、やはりそういくわけがない。外の様子に見入っていると、教頭がつるつるの頭をなでながら、呟くように言ってきた。

「そういえば、三原先生は雑誌編集者とお付き合いしているとか。洋太さんでしたか? そちらの方も気をつけてくださいね」

「え、あ、はい」

突然の不意な発言に桂子は動揺を隠せなかった。なぜ、このハゲ親父が私のプライベートを知っているのだろうか?

疑問に思いつつ、教頭が去っていくのを見届けた。その際脇で坂井がくすくす笑っているのが見えた。

おそらくこの女の仕業だろう、そう思ったが、桂子は何も言わず、席を立った。