マー君(原作)

「わかりやすくいいますと−−」

「はいはいどうせ、僕は馬鹿ですよ」

ブタ太はいじけて部屋から出ていった。

相当ショックだったのだろう、洋太は離れていくブタ太の丸まった背中を見送った。

その様子を見ていたジョーンが軽く笑う。

「すみませんね、あの日本人の思考はどうも読めなくて」

なぜ、日本人呼ばわりにしたかは聞かないことにし、洋太は先を促した。

「いいですよ。それで−−」

「ああ」

ジョーンは咳ばらいをし、カプセルに向き直った。

「我々は政府から意志を持つネットウィルスを作るように言われ、その目的のためJCOという組織が作成されました。

しかし、ネットウィルスに意志を吹き込むなど不可能に近く、研究は難航しました。

AIを持つネットウィルス」

洋太を振り向き、きっぱりと言う。

「現代の技術を持ってしても、不可能なんですよ、そんな物を作るのは。

だから、我々は禁忌を犯した。人間を−−子供を人体実験し、その意識をネットウィルスに埋め込むことを。

その過程でできたのが、マー君」