マー君(原作)

その画面には自分のぐしゃぐしゃになった顔があった。いつの間にか泣いていたようだ。坊主頭の顔が涙で濡れている。

「ミカ、なんで君はこんな−−。僕だって、不安さ。逃げたいさ、こんな世界から。

でも逃げたら、僕はどうなる?

僕は全てを失うのか?」

ミカを手に入れるかわりに。

大きすぎる代償だ。

だが−−。

「確かに、僕は弱いよ。弱い人間だよ。いつも親の目ばかり気にして、逃げて、立ち向かわない。でも!」

修二は画面の自分を戒めるように睨みつけた。

「だから、逃げちゃあいけないのかもしれない。ミカ、ミカが僕を受け入れてくれるなら、僕は逃げるためじゃあない、君に会うためにネットの世界に行きたい。

君が許してくれるなら。

僕は、こんなださい僕でも変わろうと、思う。マサルのように格好よくできなくてもいい。

マサルのように女の子にモテなくてもいい。意識だけでも−−」

修二は覚悟を決め、「マー君信者登録」ボタンを押した。

「変えてみせる。君を助けるために!」