マー君(原作)

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ピタ、ピタ、ピタッ−−。

水滴が落ちる音が響く。その音に合わせて点滴の液体も落ちる。ベッドの上に横になっている男の体内に。

上田良一は目を閉じ、微かに呼吸を繰り返している。左足にギブスをはめ、頭に包帯を巻いている。

左腕には点滴の針が刺され、胸には心拍数を計る吸盤がいくつか取り付けられている。

体は何も食べていないためか、だいぶ痩せてきている。

ピコン、ピコン、ピコン−−。

良一の左側に置かれている心拍数測定機が一定のリズムを刻む。その音に水音が重なる。

「私は他人なのかな? 雫」

上田良一の脇のパイプ椅子に座る雨は、静かに呟いた。しかし、広い空間とあって、微かに声が広がる。

雨と良一がいる所は、ある古びれた広い倉庫の中だった。

中には車の改装に使う機械や、壊れた車、ドラム缶などが散らばっている。天井はかなり高く、所々腐敗して穴が空いている。

その広い空間の端、窓の下に雨と良一がいる。他にも数人の男女がおり、何やら相談している。

彼らも雨と同じマー君対抗派である。