マー君(原作)

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カチャ、カチャ・・・・・・。

広いリビングに食器が擦れる音が響く。修二は母親と向かい合う形でテーブルについていた。

テーブルには今日の夕食である極上のステーキにサラダ、ライスなどなどがあがっている。

修二と母親はフォークとナイフを使い無言でステーキを頬張っている。

リビングはキッチンと繋がっており、二人が座るテーブルはキッチンの側にある。

周りには高価そうな家具が並び、所々にアンテークがほどこされている。

テーブルは三角錐を逆さまにした変わったものだ。

ソファはベッドになるタイプ、キッチンに通じる通路はアーチ状で、蛍光灯は細長いガラス棒が垂れた物が天井にいくつもついており、様々な色に輝いている。

まるで色のついた鍾乳洞を思わせる。

このような変わった仕様は父親によるものだ。彼は有名デザイナーであり、母親は医者である。

お互い才能に溢れているが、それは相いれぬ物でもある。

父親は美。

母親は堅。

二人は対立する形になり、修二の教育に関しては母親は英才教育を、一方父親は放任主義を貫いている。