その学校がハルの後方に見え、前方には次の街が見える。

その手前になにやら小屋のようなものがある。

周りには田んぼが広がり、学校から次の街まで一本のくねくねした道路が続いている。


その上を今ハルが進んでいるといった所だ。

ハルの赤い点はゆっくりだが、次の街に進んでいる。

この現代のステージからは敵は車や通行人になり、戦闘画面は主人公の主観画面で行われる。

武器は携帯電話や鞄など現代の物になる。

春香はゲームの中の主人公がゆっくりと次の街を目指していくのを見て、微笑んだ。

もうこのゲームは麻薬と同じようなもので、始終ゲームをやっていないと落ち着かなかった。

そのせいか、いつしか自分がゲームの世界にいるような錯覚さえ覚えていた。

そんな彼女がこのゲームと出会うきっかけとなったのは、ある日の惨劇が始まりだった。