マー君(原作)

ウィルスとは……普通感染した場合、その後の行動は感染者に依存しますが、この寄生型ウィルスは違います。

完全に侵食された時、これも憶測ですがおそらく感染者の意識はネットへと移ると思われます。つまり、その理論だと、感染者全員の意識はネット上に常に繋がっていることになります。

ネット上で一つに繋がって。

これより我々はマー君の消滅は、全ての感染者の消滅と推測しています。それは−−。

寄生型ウィルスにより、例えば百人が完全に感染してしまった場合、マー君一人が百人分の情報を共有でき、百人に同じ命令を下せたり、ばらばらに命令させたりできる訳です。

これより、マー君がウィルスの宿主であり、その宿主がいなくなると、ウィルス=子孫も生きれなくなるという考えが予測されます」

「それがマインドコントロール−−。でもマー君一人ってどういう−−」

「それにつきましては、後ほど吉沢さんから説明があると思います」

「思いますって」

洋太は横目で黙っている吉沢を見た。しかし、彼は何も言わない。ジョーンの説明が終わるまでもう口を開かないつもりなのだろう。
仕方なく、洋太は話を進めた。

「まあ、レベルJについてはわかったよ。つまり、感染者本人が時折意識しない内にマー君に操られているってことだろ?」

「その通り。話がわかる人だ」

「それはどういう意味かな?」

「いえ、失礼」

ジョーンはわざとらしく咳ばらいをして、カプセルに向き直った。

「とにかく、私としてこのレベルJの状態が1番危険と考えます。感染者は知らず内にマー君に操られ、回りの人間とも区別がつかない」

確かに。レベルJ、この状態は感染者かそうでないか区別がつかない。それはかなり危険だ。