マー君(原作)

「僕に何か用?」

すると、少女は隠し持っていたある物を差し出してきた。

成幸はそれを見た瞬間、一気に全身の血が引く気がした。

少女が差し出してきたもの、それは白い仮面だった。

少女は顔を上げ、自らも付けている白い仮面をあらわにした。

「あなたもマー君に、なる?」

少女の持つ仮面が成幸の顔に迫っていく。成幸は金縛りにあったかのように身動きできなかった。

仮面がすぐ目の前に迫った時、覚悟した。

もうだめだと。

そう思った直後、誰かに肩を掴まれた。

気付けば、少女は消え、ダークスーツを着た男が目の前に立っていた。

日差しを受けているその男の片手は、しっかり成幸の肩を掴んでいた。