マー君（原作）

「まぁ、大丈夫だよ。着替えるのはただ衛生上の問題だから。

ほら、感染したらだめでしょ」

「か、感染って−−」

爽やかな顔でとんでもないことを言う。このブタ太という男は。

洋太は気を引き締め、ブタ太に続いて中に入った。

部屋の中は更衣室のような形になっており、ロッカーの長い列がいくつも並んでいる。

吉沢は入った手前にあるロッカーから白衣を取り出し、羽織っている所だった。

「遅いぞ、早く着替えろ」

そう言いながら、白いマスクを口に宛てる。それを見て洋太はぎょっとした。

「やっぱり、感染するからか？」

「何がだ。勝手に想像するな。先に行ってるぞ」

吉沢はマスクを付けると、入ってきた出口から外に出てしまった。

その様子を見ていた洋太とブタ太はしばらく吉沢が出ていった出口を見ていたが、二人とも急に思い立ったように着替え始めた。