マー君(原作)

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「で、今度はどこに連れて行こってよ」

洋太は吉沢とブタ太に率いられ、ある通路を歩いていた。周りは相変わらずコンクリートで固められ、殺風景だった。

ただモルグがあった通路と違うのは通路を歩く人影があることだ。

白衣を着た者達がそうだが、彼らは洋太に見向きもせず何か話しながら通り過ぎていく。

「今度はモルグより凄いもんが見れんのか? おい」

吉沢達が何も答えないので、挑発するように言ってやった。それでも結果は変わらないが。

吉沢がようやく口を開いたのは通路の端に着た時だ。

そこには左右にドアが並び、吉沢は右手にあるドアに進んでいった。

「ついてこい。着替えるぞ」

「き、今なんて言った?」

吉沢は答えず、そそくさに中に入っていった。ブタ太も後に続くが、中に入る前に小声で洋太に話しかけた。

「あまり怒らせないほうがいいよ。あいつ人付き合い悪いから」

「はぁ」

洋太はブタ太の話し方に、一気に緊張の糸が切れた。まるで親しい友達に話しかけられたような気がしてならなかった。