ふと、薄明かりが視界に入りこんできた。

恐る恐るパソコン画面を見下す。

すると、さっきより文字が増えていた。

よく見ると、いつの間に広美が出ていた。
 

広美> お願い、お願いだから止めて! 

もうこんなの見たくない、私達が何をしたっていうのよ、やめてよ、お願いだから。
 
マー君> そう言うなよ。僕が遊んであげるよ。


そこで、広美の文字は終わっていた。

良一はもういても立ってもいられなくなった。

広美もやられた……。

やっぱり一度足を踏み入れてしまえば、逃げることなんてできないんだ。迷信という世界からは。あの時だってそうだ。

きっと俺が助けに行っても、友達は助からなかった。あのまま冥界につれていかれてしまったんだ。

だとしたら、今度は俺が――。

「次は、俺だ! くそ、くそっ! どうすれば……」
 
混乱する頭をフル回転させ、この場をなんとか切り抜けようとした。

が、何を考えてもマー君のことばかり頭に浮かんでくる。

マー君マー君マー君マー君マー君マー君マー君マー君マー君マー君マー君マー君……。

もう……無理だ。