マー君(原作)

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ザザザザアアー。

耳障りな音が鼓膜に響く。

良一は何か様子がおかしいと、警戒しながら志保に話しかけた。

恐る恐る――。

「し、志保?」

その途端、雑音が消え、荒い息づかいが聞えてきた。

ハアッ、ハア、ハアッ、ハア!

その息はあまりにも生生しく、気味が悪かった。良一は一気に体が凍りつくような感覚に襲われた。

志保、じゃあ――ない?

その予想は的中した。

息が途切れると、子供のような声が聞えたきた。

「どうしたんだい? 僕に話があるのかい? アツシ君。いや、良一君と呼んだほうがいいかな?」

「う、わああああああ!」
 
良一はあまりの驚きに体を微動だし、携帯電話を落とした。

一瞬何が起きたかわからなかった。

まるで時間が止まったかのように一瞬が過ぎた。

その直後時間が動き出した。

硬直していた体も動くようになった。

途端、体が急にだるくなり、息が荒くなった。

「はぁあ、はぁあ、どう、なってんだよ! これはああああああああー! 俺に何の恨みがあるんだああああー!」