マー君(原作)

「あー! ごちゃごちゃ、うっせぇな。ブタ太、オメーは黙って情報だけ集めてろ」

「だから、ターゲットが動いたって言ってんだろう」

しばらく言い争いが続いたが、最後には吉沢が折れた。

ようやく任務の重大さを理解し、口を開いた。

「……わかった、わかった。俺が悪かった。じゃあ、他のチームにターゲットを追跡させろ。

そして、何かあったら連絡をよこせ。これでいいだろ? ブタ太」

吉沢がそう言い終わる前に、ブタ太は既に別なチームに連絡していた。

そんなブタ太に吉沢は苛立ち、スモッグが掛かった窓を少しだけ開け、その隙間から吸っていた煙草を指で弾き飛ばした。

全くどいつもこいつも苛々する。俺を馬鹿にしやがって。

少しだけ開けた窓の隙間から、すぐ近くに見える怪奇出版を見上げた。

あんなボロ会社がな。そもそも、こんなことになったのは俺達JCOに責任がある。まさかマー君がこんな行動をとるなんて。

ジョーンの理論じゃあ、実験は全てうまくいっていたはずなのに、どうしてこんな大事に。

それとも、これは運命なのか? こうなることが、ずっと前から決まっていたのか? だから、あの少年が――。

今は噂なんかで、マー君の正体がはっきりしてないからいいものの、でも、このままじゃあ本当にブタ太の言うとおり……。

「ああ、くそっ! ふざけやがって」

全くなんでこんな面倒なことになったんだ。おかげで変な男の監視なんて任されて、餌をぶらさげてる場合じゃあねーつうの。政府のお偉いさんはただ命令してればいいだろうが。もし、切捨てられたら、俺達の身は――。

ったく、これも全て――。

マー君のせいだ。