マー君(原作)

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「どうなってんだ? 良一、どこにいる?」

洋太はある場所に向けて車を疾走させていた。上田良一の行方がわからないせいか、焦っている自分がいた。

「なんで、あんな体で動けるはずがないのに−−」

アクセルを踏む足に力が入る。病院から大通りに出てからしばらく経つが、まだ目的の場所までは遠い。

「なんで、こんなっ」

苛々して、運転が荒くなっていた。前を走る車を次々と飛ばしていく。きっと今警察に見つかったら、止められるだろう。

それほど焦っていた。

焦っていたのは良一がこれからの記事に重要な発言をしてくれるとか、そういうのではない。何故か良一の身が心配だった。

ただの仲の悪いクラスメートなだけなのに、まるで家族のように思えた。

きっと良一に対する哀れみがそのような感情を生み出したのかもしれない。

とにかく、今は情報が欲しい。良一のことならなんでもいい。病院で聞いた話では良一は退院した訳ではないようだ。