マー君(原作)

「ゲッホゲホ、ハアッハアーハアー!」

息が上手く出来なく、桐原は床に仰向けに倒れた。

その際入ってきた扉が閉まっていることに気づいた。

ある程度水を吐き出してから閉まったのだろう。

桐原は息が整うよう、大きく息を吸って吐いてと繰り返した。

その度に、濡れた服越しに胸が上下に動いた。

「だ、ず……かった」

苦しい中、そう呟いてみた。

その時だ。

すぐ近くから声がした。

その声は聞き覚えがあった。

どうやら俺以外にも脱出できたようだ。

明るい何もない部屋だ。

すぐに誰かわかる。

だが、体を動かそうにも動かない。

まだ体がだるい。

足音は次第に近づいてくる。

そして桐原の頭上で止まった。

そのため、嫌でも彼の視界に入ってきた、誰かの顔が――。