マー君(原作)

それでも、やはり目的地に着く前に、体力的に限界が来た。

もう息ができない。

桐原は体が思うように動かせなく、頭がおかしくなりそうだった。

息がもうない……。

もう目を開けていられない。

このまま楽になりたい。

水の中で永遠に――。

意識が飛ぶ瞬間誰かが手を掴む気がした。

それは祐の手の気がした。

その瞬間、桐原は再び意識を取り戻した。

そして、最後の力を振り絞って目的の扉の前に辿りついた。

その扉には何も書いてなかった。

やはり水性のインクで書かれていたようで、水で綺麗に消えていた。

それでも構わず、桐原は扉の取っ手に開いた丸いくぼみにある物を差し込んだ。

その瞬間、扉が内側に勢いよく開き、同時に桐原もその扉の内側に吸い込まれた。

ゴゴゴオーっと大量の水と共に流された桐原は明るい広い部屋に倒れこんだ。

水の勢いで、少し流されたが、しばらくすると、水の勢いが止まり、桐原は床に倒れた。

息が苦しく、強烈な眩暈に襲われ、桐原は床に倒れこむと同時に口から水を吐いた。