マー君(原作)

祐は立ち上がって桐原が持つ宝箱を見上げた。

祐は桐原の腰の少し上までしか背がなく、幼い丸い目でじっとそれを見上げている。

桐原はそんな弟の顔を優しく見下ろしてから、腰を下ろし、弟の視線の高さに合わせた。

「大丈夫さ。俺が必ず鍵を見つけるよ。なくした鍵を。だってこれはお前の宝物だろ?」

祐が嬉しそうに頷く。

桐原はその頭をなでた。

「だったら、見つけないとな」

「うん」

祐がそう頷いた途端、一気に光景が変わった。

今までの光景は消し飛び、一面が赤く、炎に包まれ、大量のどす黒い煙に包まれた。

気づくと、そこは家だった。

自分の昔の――。

桐原は玄関に立っていた。

家の中は煙と炎に包まれ、今にも建物が崩れそうだった。

炎は天井にも広がり、いつ爆発するかわからなかった。

そんな中、家のどこからと祐の心細い声が聞こえてきた。

桐原ははっとして声のする方へ駆けだした。