マー君(原作)

バッハ> すみません、私があなたの話をしたから、こんなことに。
 
広美> 本当に、マー君?
 
アツシ> 消すって、まさか……。
 

良一はキーボードを打つことに全神経を集中させた。

これが本当に本物のマー君なら、変なことは打ち込めない。

でも、このままじゃあ……。
 
良一が打ち込んでから、少し間があった。

もしや、マー君は帰ったのでは?

そんな期待を抱いたが、見事に予想を裏切られた。

マー君がとんでもないことを書いてきた。
 

マー君> フフフ、楽しいな。人間狩りは。

ま~ずは、僕を呼んでくれたお礼に君からおじゃましようかな、AI。

君は僕を、楽しませてくれるかい?
 
AI> なにが、お前だ、この野郎。かかってこいよ、チキン野郎。


「まさか、これは……嘘だよな?」
 
良一は震える声で自分を励ました。

そのつもりだったが、AIがいくら待っても現れないので、不安が募った。
 
耐え切れなくなり、AIに呼びかけた。

 
アツシ> おい、AI返事しろ!
 
バッハ> 冗談だよね、これ?
 
広美> 嘘でしょ、これ?