マー君(原作)

いつもの達也と様子が違うと思ったのか、清美が動揺しながら彼に話しかけた。

「達也?」

「お前は黙ってろ」

達也は清美を一掃し、Xを次に桐原を見た。

「なぁ、あんたら、俺があんたらに情報を教える義務はあるのか? あんたらは俺に何の情報をくれるんだ?

このゲームは遊びじゃあない。命がけだ。

それにキラーだっている。

そんな中、俺はあんたらの中にキラーがいないなんて思っていない。

疑える者は、全員だ。

そんな奴らに、やすやす情報を教えてやると思うか? よく考えろ」

顔の前に人差し指を掲げ、X、KPS、桐原を見た。

「俺はなぁ、気づいたんだよ。このゲームの趣旨がな。ただ仲良く皆で情報を交換し合うだけじゃあ生き残れない。それが何故かわかるか?」

桐原は急変した達也に怯えつつ、首を横に振った。

達也は人差し指を折り曲げ、拳を作った。そこから拳を皆に見せるように説明した。

「このゲーム、始めは皆情報はゼロから始まる」

拳をゼロと見立てて話を進める。