マー君（原作）

＜１４＞

「あのー、鍵のことが、その、わかったんですか？」

桐原はつい口を挟んでしまった。

すると、達也はにこりと笑い、胸の内ポケットから眼鏡を取り出した。

彼は派手な柄のワイシャツを着ており、下は茶色のハーフパンツと、ラフな格好をしていた。

清美は青のジーンズに上は白のプリントカラーが施されたＴシャツを着ていた。

格好からして家でくつろいでいたのは本当のようだと察することができる。

達也は眼鏡を掛けると、急に鋭い目つきになり、どこか威厳が醸し出されたように見えた。

こう見ると、彼はちやほやするようなタイプではなく、どこかの大企業にでも勤めていそうな、そんな容姿に見えてきた。

彼は眼鏡から手を話すと、急に立ち止まった。

その気配を感じてか、前を歩くＫＰＳ達も立ち止まり、達也を振り返った。

「達也さん？　どうしました？」

Ｘが慎重に聞くと、急に達也が含み笑いを漏らした。

「どうやらこの様子だと、俺以外、皆鍵について見当がついてないらしいな」