マー君(原作)

Xは達也に硬い表情を向けた。

「その中にキラーがいる可能性が高い。

きっと奴は暗闇に生じて、参加者を消していくだろう。

だとしたら、一刻も早く皆を見つけ、合流するのが先決だろうな。例え危険が増しても、皆が一緒なら、キラーも大きく動けないはずだ。あとは――」

「鍵ですね」

達也は無精髭が生えた顎を触りながら、真剣面持ちで言った。

「実はですね、少し検討がついているんです。その、鍵に――」

急に謎めいたことを言うので、Xも桐原も眉を上げた。

今まで鍵について情報が全くなかったため、桐原は急に胸が躍った。

そして、この時なぜか達也が重要な情報を手にしていると直感した。

だが、桐原はまだ気づかなかった。

このゲームが人をどのように変えるかを。