しかし、そんなやり取りもしばらくするとぎこちなくなり、ついにXが話を割った。
「もうやめませんか? こういう事情徴収まがいなことは。これではいたちごっこですよ。時間だってそう多くないんだし」
「え? 時間? 今どれぐらいたったかわかるんですか?」
桐原はその時になって、Xの右腕についている高そうな金のメッキの腕時計を見つけた。
桐原はXの左側を歩いていたことや、暗かったこともあり今まで時計の存在に気づかなかった。
「それ!」
桐原はつい自分を抑えきれず、Xの左腕を取って時計を覗いた。
微かだが、時刻が見えた。
だが、肝心のゲーム開始時間がいつかわからないため、見ても意味がなかった。
「ははは、忘れてたよ、時計を持っていたのを」
Xは慌てて時計を自分の顔の前に上げた。
その瞬間、桐原は感じた。
嘘をついていると。
この男ははじめってから俺達に時間を教えるつもりなんかなかった。
だとしたら、時計を隠さなかったのは、奴のミスか?
あれこれ考えていると、Xが目を細めながら、腕時計を見て言った。
「もうやめませんか? こういう事情徴収まがいなことは。これではいたちごっこですよ。時間だってそう多くないんだし」
「え? 時間? 今どれぐらいたったかわかるんですか?」
桐原はその時になって、Xの右腕についている高そうな金のメッキの腕時計を見つけた。
桐原はXの左側を歩いていたことや、暗かったこともあり今まで時計の存在に気づかなかった。
「それ!」
桐原はつい自分を抑えきれず、Xの左腕を取って時計を覗いた。
微かだが、時刻が見えた。
だが、肝心のゲーム開始時間がいつかわからないため、見ても意味がなかった。
「ははは、忘れてたよ、時計を持っていたのを」
Xは慌てて時計を自分の顔の前に上げた。
その瞬間、桐原は感じた。
嘘をついていると。
この男ははじめってから俺達に時間を教えるつもりなんかなかった。
だとしたら、時計を隠さなかったのは、奴のミスか?
あれこれ考えていると、Xが目を細めながら、腕時計を見て言った。


