マー君(原作)

皆もそれがあるからなかなか他人に会おうとはね。

まあ、ただ歩いていた訳ではないががね、ちゃんとこのゲームのクリア方法を考えていたさ」

そこまで言うと、まだ桐原の背後に隠れているKPSを興味深そうに見た。

「ところで、そこのお嬢さんは誰かな? 暗くてよく見えないのだが」

それは嘘だ。

Xと桐原達の距離は一歩前に出ればお互いがぶつかるぐらいの距離だ。

いくら暗くてももうだいぶ暗闇に目が慣れているはずだ。

至近距離なら顔を見ることぐらいできる。

現に自分がそうなのだから。

だからKPSのことは見えているはずだ。

桐原は何故か、単純なことでも難しく考えてしまっていた。

これがただの冗談かもしれないのに。

きっとこんな状況下だからかもしれない。

とにかく、今はこの男からどれだけ情報を引き出させることができるかに、 集中すべきだ。

しかし、XもKPSも積極的にお互いのことを聞こうとしない。

普通なら、こんな状況下なのだから、初対面の人だろうが、色々と聞きたいはずだ。このゲームのことも。