「何、今回はもっと凄い物なのか?」
三沢の言う「凄い」は宛にならない。
「え、ええ、まあ」
洋太はしばらく話すのに躊躇っていたが、ここに来たのは三沢に意見を求めるためだ。口なしでは話にならない。
「実はですね……」
そう切り出し、雨の話を簡潔に纏めて話した。
その話をいつものように真剣そうに聞く三沢。
苔のように生えている顎髭に手を宛てたまま考える。
話終えた頃には、二人は長い廊下を過ぎ、階段を下りていた。
三沢は階段の踊り場で足を止めると、ようやく顎から手を離し重い口を開いた。
「君は――」
「はい?」
三沢の声が小さかったため、つい聞き返してしまった。
それでも三沢は構わず話し続けた。
「君はこの話を聞いてどう思った?」
まさかこれを聞かれるとは……。
洋太は階段の取っ手におかかり、ため息まじりに言った。
「ありえないの一言ですよ。
ネットを通じて感染するウィルスなんて、どう考えてもおかしいですよ。普通感染って言ったら空気感染とか血液とかでしょ? こんなの--」
「いや、それは現在に至るまでそういうタイプの感染病しか発見されていないからだ。これから未来、全く異なる感染病がでてきたら、その見方は変わる」
三沢はいつも冷静に洋太の話に抗議する。
まるで風のように。
その話に洋太は身を任せることにした。
三沢の言う「凄い」は宛にならない。
「え、ええ、まあ」
洋太はしばらく話すのに躊躇っていたが、ここに来たのは三沢に意見を求めるためだ。口なしでは話にならない。
「実はですね……」
そう切り出し、雨の話を簡潔に纏めて話した。
その話をいつものように真剣そうに聞く三沢。
苔のように生えている顎髭に手を宛てたまま考える。
話終えた頃には、二人は長い廊下を過ぎ、階段を下りていた。
三沢は階段の踊り場で足を止めると、ようやく顎から手を離し重い口を開いた。
「君は――」
「はい?」
三沢の声が小さかったため、つい聞き返してしまった。
それでも三沢は構わず話し続けた。
「君はこの話を聞いてどう思った?」
まさかこれを聞かれるとは……。
洋太は階段の取っ手におかかり、ため息まじりに言った。
「ありえないの一言ですよ。
ネットを通じて感染するウィルスなんて、どう考えてもおかしいですよ。普通感染って言ったら空気感染とか血液とかでしょ? こんなの--」
「いや、それは現在に至るまでそういうタイプの感染病しか発見されていないからだ。これから未来、全く異なる感染病がでてきたら、その見方は変わる」
三沢はいつも冷静に洋太の話に抗議する。
まるで風のように。
その話に洋太は身を任せることにした。


