マー君(原作)

だが、ここで言わなければ警戒心を与えてしまうことになり、後にどうゲームに影響が出るかわからない。

桐原は、覚悟を決めて、逆にKPSに聞いた。

「あんたこそ、どうしてこのゲームに参加したんだ? こんな謎だらけのゲームにさ」

すると、KPSは躊躇することなくにやりと笑って答えた。

「そんなの、決まってんじゃん」

大きな目を更に大きく見開く。

「目の前に謎があるだから、解かないわけにはいかないでしょ。

私の探究心がこのゲームに参加しろって言ったのよ。それが理由――というより、願望かな」

可愛さをアピールするかのように首を捻る。

そのまま首を捻り曲げて、二度と口が開かないようにしたかったが、桐原はその願望を抑え、無理に微笑んだ。

「そ、そうだな。俺もこの謎を解きたくて、ここに来たのかもしれない」

そうだ、俺にはこのゲームに参加しない選択もできたのだ。

あの時携帯電話のディスプレイに映った黒いページ。

ENTERのボタンを押さなければ、ここに来ることもなかった。

だが、今俺はここにいる。

ここに。