マー君(原作)

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「どう、も?」

桐原はなぜか少女に軽く頭を下げた。

彼女は少し照れているようで、もじもじしていた。

桐原は意味がわからず、首を傾げたが、少女は構わず話しかけてきた。

「あ、あの、あなたは?」

「ああ、俺か? 俺は……」

桐原は一瞬本名を言うのをためらったが、結局言っても何も変わらないと思い名乗った。

「んで、あんたは? 俺も名乗ったんだからさ」

しかし、少女は白い顔を隠すように、ハイヒールを見下ろしながら名乗った。

「えーと、その、私は、けい――KPS! KPSって言うの」

K・P・S? 

はあ? 

デスノートのSPKの逆か? 

桐原は急にこの女に警戒心を抱くようになった。

こっちは本名を名乗ったのに、こいつはKPSとかふざけた名前を名乗りやがって。

これじゃあ俺はただの馬鹿じゃあねーか。

桐原は、まだ足元を見つめているKPSを凄い形相で睨んでからすぐににっこりと笑い聞いた。

「なんで、あんたはそんな、名前なのかな? まさかそれが本名とかはないよな?」

顔は穏やかだったがつい声に力が入ってしまう。

自己紹介でここまでムカついたのは、恐らくこの女が始めてだろう。