マー君(原作)

やはり、このゲームで重要とされるのは、この闇だろう。

これがプレイヤーを疑心暗鬼にさせ、更にキラーや水の恐怖感を高陽させている。

キラーに至っては人を殺してでも邪魔をしてくる。

そんな者にとってこの闇は絶好の場所だろう。

だとすれば――。

突然耳を割くようなサイレンが部屋を覆いつくした。

長く鈍い音が一定の間隔を空けて三回鳴った。

サイレンが鳴り止んでもしばらく暗闇に微かに響いて聞こえていた。

しかし、音が完全に闇に消えると、今までになく部屋が静寂に包まれた。

桐原はこの瞬間暗黙にプレイヤー達が思ったであろうことを思った。

ゲームが始まった、と。