マー君(原作)

とにかく、今はこのゲームで勝ち残る方法を考えなければならない。

まだゲームが始まっていないからキラーはまだ動けない。

水もゲームが始まるまで部屋に入って来ない。

一度ゲームが始まれば、この二つの危険が同時に迫ってくる。

そんな状況下では落ち着いて考えることもできない。

桐原は、腕を組んで、再三周囲を見回した。

「真実を見極める目と疑う心かぁ」

疑う心は恐らくキラーに気をつけろということだろう。

だが、真実を見極める目――これはわからない。

現状、周りは全く見えない程暗い。

それに審判の話からするに、ここは密室の部屋だろう。

形は四角、長方形だろう。

鍵を見つけて脱出しろという説明から、最低一つどこかにドアがあるはず。

が、もしそうだとしても――。

桐原は腕を解き、真上を見上げた。

天井も暗過ぎて見えない。

目が暗闇に慣れても見えないということは、かなりの高さがあるのだろう。