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迷信……。
それは小学三年の蒸し暑い夏のことだった。
良一は友達二人と虫取りをしに、自分達が通う小学校の裏側に来ていた。
学校の裏には草原が広がり、膝まで伸びた緑色の絨毯が夏風に囁いていた。
三人は半パンにTシャツといういでたちで、片手に虫かご、もう片手に虫取り網を持っていた。
もう夕暮れで、そろそろ帰る所だった。
今日も大量の虫を手に入れた良一達は満足そうに裏庭を後にしようとしたが、そこである異変に気づいたのだ。
裏庭には真ん中辺りに小さな物置小屋がある。
そこは昔から怪談話に出てくる建物で、噂では小屋から招く手に引かれ、中に入ると、その者は冥界に連れていかれるというものだった。
つまり、その小屋は冥界の入り口とされているのだ。
今や誰も近づこうとしない、ブラックボックス化となっている。
用務員の人でさえ、あまり近づこうとしない。
そして、今その小屋から細い手が伸び、良一達を招いているのだ。
いつもは固く閉ざされている引き戸が少しだけ開いており、その隙間から手が伸びている。
迷信……。
それは小学三年の蒸し暑い夏のことだった。
良一は友達二人と虫取りをしに、自分達が通う小学校の裏側に来ていた。
学校の裏には草原が広がり、膝まで伸びた緑色の絨毯が夏風に囁いていた。
三人は半パンにTシャツといういでたちで、片手に虫かご、もう片手に虫取り網を持っていた。
もう夕暮れで、そろそろ帰る所だった。
今日も大量の虫を手に入れた良一達は満足そうに裏庭を後にしようとしたが、そこである異変に気づいたのだ。
裏庭には真ん中辺りに小さな物置小屋がある。
そこは昔から怪談話に出てくる建物で、噂では小屋から招く手に引かれ、中に入ると、その者は冥界に連れていかれるというものだった。
つまり、その小屋は冥界の入り口とされているのだ。
今や誰も近づこうとしない、ブラックボックス化となっている。
用務員の人でさえ、あまり近づこうとしない。
そして、今その小屋から細い手が伸び、良一達を招いているのだ。
いつもは固く閉ざされている引き戸が少しだけ開いており、その隙間から手が伸びている。


