どうやら、自分の周りに数人、人がいるようだ。

かなり距離があるようだが微かに気配を感じる。

ただあまりにも暗いせいや、目が完全に慣れていないことや、距離感がはっきりしないせいもあり、性別、年齢といった詳しい状況はわからなかった。

しかし、唸り声や話し声が聞こえる様子からして、それらがまだ生きていると判断できた。

そこまで把握できると、桐原は少し落ち着きを取り戻し、暗闇に目が慣れるまで、ここに至るまでの経緯を思い浮かべた。