マー君(原作)

なんてことだ。

始めはこんなつもりじゃあなかったのに。途中で切り上げるつもりだったのに。

例え迷信だとしても、こんなことするなんて!

急に体中から汗が噴出した。

手の汗をよれよれのズボンに拭い、冷や汗を書きながらキーボードを打った。

今すぐ、マー君の話を止めさせるのだ。

だが、その願いはAIの文字によって絶たれた。

 
AI> ハハハ! 面白くなってきたじゃん。じゃあ、軽く。

マー君、死ね! 死ね、死ね、死ね! 

こんなんでいいのか(笑)

 
良一はキーボードを打つ手を止めた。一瞬、目眩がした。

「そんな、嘘だだろ?」

しかし、その文字は消えなかった。鮮明に画面に映り、良一の目に焼き付いた。

良一はしばらくその文字から目が離せなかった。

その時なぜか、昔の記録が脳裏を過ぎった。

こんな時に思い出したくもないことを思い出した。

過去の惨劇を――。