チャット編
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カチカチカチカチ……。

薄暗い部屋にキーボードを叩く音が一定のリズムを刻んで響いている。

キーボードの前にはノートパソコンの大画面が広がり、薄い燭とも言える明かりを、薄暗い部屋に落としていた。

微かに照らされた部屋は服や缶ジュース、菓子箱、袋、様々な物があちこちに放置され、ゴミ部屋化としていた。

その中で、細身の体の男が熱心にキーボードを叩いていた。

そのスピードは尋常ではなく、まるでピアノの鍵盤を叩く――リズム自体が音楽だった。

若い男は何かのキャラクターがプリントされた白いTシャツを、下に履いている青いジャージに入れている。

短くカットされた髪はあここち寝癖がついていた。

薄い明かりが、頬骨がうっすら見える顔を怪しく照らしている。

その顔には黒ぶち眼鏡が掛けられている。

男はキーボードを叩いた後、その眼鏡をいじる。

それが癖になっていた。