北沢闇斗side
僕達が初めてあったのは僕が五歳の時。つまり、八年前のこと。
自動車とぶつかった時。
ホントはここで僕の人生は終わる・・・・ハズだった。
自動車にぶつかって、体が宙に浮いた時、五歳の僕にも分かった。
〈死〉が。
ふわふわ浮いている中で声が聞こえた。
『オイ。オマエ』
誰?
『うーん・・・・なんだろ・・・・ユウイ・・・・でいっか
・・・・確か、前もそう呼ばれてたし』
ユウイ?
『ま、ざっくり言っちまえば、もう一人のオマエってこったぁ~』
・・・・お父さんみたい。
『そうかぁ?・・・・まぁ、言いケドよ。オマエ、
このまま死にたいか?』
それは・・・・イヤだ・・・・お父さんとお母さんとまだ、一緒にいたい。
『クククッ。そーかい、そーかい。それで?オレに助けて欲しいかい?』
そりゃあ・・・・助けて欲しいよ。・・・・そんな事、
出来るの?
『出来るから言ってんに決まってんだろ。朝飯前だよ』
じゃあ、助けてよ。
『クククッ。い~ぜ~?助けてやってもよぉ。
ただし、条件がある』
条件?
『オレにも住まわせろよ。その体の中に』
いーよ。それで僕が助かるならね。
『交渉成立♪』
てゆーかさもう一人の僕なんでしょ?
『まーな』
何でそんな事聞くの?
『細けー事は気にすんな。じゃ、またな』
あ、待って!ユウイ!
その瞬間あたりに光が満ちた。


