ここから一番近いゴミ箱は…、確か校舎裏。

まだ入学してから1ヶ月もたっていないから確証はないけれど、とりあえず向かう。



(あ、あった)


ゴミ箱は、あった。

近づいてガコンッという音と共に空き缶を捨てた。

(ごめんね、空き缶)

心の中で捻り潰してしまった空き缶に謝りながら、帰ろうと振り返ったとき、花壇があることに気づいた。


(こんなとこに花壇。)

思わず近づいて、その傍にしゃがんだ。


まだ芽すら出ていない。
ただのもこもこした土だけの花壇。


わたしはそれを見つめた。