わたしは自分の手のひらを見つめた。
昔から、そうだった。
またやってしまった。
気をつけて隠すようにしてはいるものの、気を抜くとすぐにこうだ。
オレンジジュースが滴り、血が滲むわたしの手。
「ジュース、飲もうとしただけなのに…」
『怪力』、というのだろう。昔からひとより力の強いわたし。
それはもう、化け物みたいに。
今も飲もうとした缶ジュースを捻り潰してしまい、ジュースは駄目になるし破片で怪我はするしで最悪だ。
わたしはキョロキョロと周りを見渡す。
…誰もいない。
(よかった、誰も見てない)
ほっと胸を撫で下ろす。