「なっ…」

顔を真っ赤にして、大きな目を丸くする鈴音ちゃん。


(可愛いなぁ)


わたしはそれをにこにこして見ていた。


「そんなこと言われても、嬉しくなんかないんだからね!!」


ああ、わかった。
わかりました。

鈴音ちゃんはどうやら、今人気の『ツンデレ』さんみたいです。



「ふふ」

「ちょっと、何笑ってるの!」

「だって」



嬉しいんだ。

こんなに素敵な鈴音ちゃんと友達になれて。


「も、もう唯なんて知らないっ!あたし帰る!」

そう言って鈴音ちゃんはあたしに背中を向けた。

たぶん、赤い顔を隠すため。


「あはは、ばいばい」

わたしはなんだか可笑しくて、笑って手を振った。


鈴音ちゃんはこっちを振り返らずに、

「バイバイ」

と言った。



でも、声が笑ってた。





わたしはその背中を見ながら、

(遠足、楽しみだな)

口元を綻ばせた。