いやいやいや、しかしだよ、俺!

でもだよ!?


俺、そんな軽くないし、顔だけで選ぶ奴じゃないと思うし…。


ひとりあたふたとジョウロを抱えて焦る俺。

時々ちゃぷんと水の跳ねる音がする。

端からみたら最高に滑稽な俺。


そんな俺は、ふとこっちを見た彼女とばっちり目が合ってしまったわけでして---。


「~~~っ!!!」


声にならない声をあげて、顔を真っ赤にして、その場から猛ダッシュで逃げたのでした。


ついでにいえば、驚いた拍子にジョウロを放り投げて。

きっと今頃俺が立っていた場所は水浸しだろう。