「何してんの、あんたら」
呆れ顔で鈴音ちゃんがやってきた。
やっぱり鈴音ちゃんは可愛い。
呆れ顔も可愛い。
「聞いてよ鈴音!唯っちがねー!」
「あっ!ち、違うってば麻理ちゃん!!」
わたしはまたぽかぽかと麻理ちゃんを叩く。
もちろん、軽く。
そのとき、くじの箱を持った高瀬先生が入ってきた。
「班の代表者ひとり出て来いー、そして引け!」
それを聞いた鈴音ちゃんが、素早く動いた。
「あたし行ってくるわ」
「はーい、行ってらっしゃい」
麻理ちゃんがにこにこ手を振る。
わたしは驚いた。
「鈴音ちゃんって、すごい…!」
なんか、他の女の子と全然ちがう。
「潔いでしょ、あのこ。頭も良くて頼れるし、あーいうとこすきなの」
麻理ちゃんがにこっと笑った。
頭も、いいんだ…。
可愛くて、頭もよくて、頼れて、性格がいい。
すごいな、鈴音ちゃん。
