「ちょっと、あんた!」

見ると、彼女の可愛い顔がきっと引き締まっていた。


「名前!教えなさいよ」

「う、内森 唯です」

「…そ。あたしは藤谷 鈴音。」


次の瞬間、彼女はふわっと笑った。

すごく嬉しそうに。


「唯!仕方ないから友達になってあげる!」

「とか言ってぇ、ほんとはめちゃめちゃ嬉しいくせに~」

「うるさい!麻理はだまれ!」


ぎゃーぎゃー騒ぎ始めるふたり。


…嬉しい。



(こんなわたしでも、友達ができたよ)



「鈴音ちゃん、麻理ちゃん、よろしくね!」

わたしは満面の笑みでふたりに言った。