わたしが一人でもやもやしていると、担任の高瀬先生が入ってきた。
「HRすっから席つけー」
ガタガタと音をたてて、みんなが席に戻る。
「えー、今日の放課後に5月の遠足の班を決めます」
教室がざわつく。
班…決め?
どうしよう、わたし、友達いないよ…。
わたしは一人青ざめた。
「女子と男子各4班ずつ、人数はなるべく均等に。ぱっと決められるように考えとけよー」
放心したわたしの耳に、先生の声が遠くで聞こえた。
その後、1時間目の化学の実験でも、シャーペンにひびが入る音で我に返るまで、わたしはぼうっとしていた。
そして、無意識のうちに教室から化学室に移動していた自分に本気で驚いた。