いや、花壇を見守っているわけじゃない。

本当は、その傍らに座る女の子を見ているのだ。


小学校のときも、中学校のときも、女の子となんか特に縁のなかった平凡な俺。


高校では彼女つくるぞー!なんて口では言いつつもチキンな俺の現実は、

『女の子がいるから花壇に近づけず水やりすらできない』

である。


いや、高校生活はまだ長い。

あと3年もあるんだ。

こんなことで怯んでいてはステキライフなんか始まらないぞ坂下謙太!!



しかしやはり校舎の陰から一向に動こうとしないチキンな俺の足だった。