優しい風が吹いた。 揺れる髪を軽く抑える。 目の前の花壇を見つめた。 茶色い土。 ここには、一体どんな花が咲くんだろう。 考えてると楽しみになってくる。嬉しくなってくる。 わたしにだって、触れることはできなくても、見ることはできるから。 そしてわたしは、何気なく校舎のほうに目をやった。 そこには一人の男の子が立っていて、完全に目があってしまった。