私は神谷沙里。
生まれつき身体が弱かった。



____その日も具合が悪かった。




体育の時間、私は教室で休んでいた。

うとうとしかけていた頃


『___ガラガラッ!』

教室のドアが激しく開いた。
私は驚き、ドアの方向を見た。


そこには吉岡柊がいた。
柊は私の好きな人。
私は思わず目をそらしてしまった。

「ごめんっ!起こしっちゃったか?」
そう言って柊は教室に入ってきた。

私は心臓が潰れるほどドキドキしてた。
(好きな人と教室で二人きりなんて...!)

私は寝ているふりをしていた。



よく皆は好きな人にアピールしている。
でも私は...それが出来ない。
好きな人と喋るなんてもってのほか。
目が合っても恥ずかしくて
目をそらしてしまう。


_____
柊は忘れ物を取るとすぐに出て行った。

「ふぅー。」
私は息を吐いた。
顔が赤いのは体調不良のせいじゃない。
柊のせいだ。