「おっそいよー修吾!1時間も遅刻~!何してたのぉ??」
里美の脳天気な声が俺の脳ミソを直撃する…


「ああ…まじでごめん…」
そう言って、チラリと高宮さんを見た。


高宮さんは相変わらず…
俺の方を見ることなく下を向いていた…


「ああ、修吾君、この子になんか聞きたい事あったんだよね?」
間の悪い事に、光本さんが僕に問いかける‥


「ああ‥いや‥いいんだ。別に‥」
本人がいる前で聞けるわけないし…。


「ええーなんでぇ?なんか由香里が
昔の知り合いに似てたから聞きたかったんでしょー?」


「………。」
ああ‥言っちまったよ…空気を少しは読んでくれよ‥


「あ、あはは、い、いや‥人違いだったし、石野さんだっけ?
まったく別人だから関係ないし、もうその話しはいいよ。」
俺はひたすら笑って誤魔化す。


「えー?本当にぃ?
まあさ、由香里はアタシの言うことは絶対に聞くし、
合コンとかいつも着いて来てくれるの。
まあ地味だし、アタシの引き立て役みたいな?」

笑いながら言う光本さんを見て、俺はイラッと来た‥



だけど、高宮さんが無理してでも、
ここに来させられる理由が解ったような気がした‥
光本工場で働いている社長のお嬢さんの言うことは絶対なのだ‥