再び沈黙が流れる…


「訳は言えない‥ごめん‥でも、浮気しに行ってたわけじゃないんだ‥」
と俺が答えると


「じゃあ、何しに行ってたの?!」と今度は里美が聞く。



「それは…」と言いかけて口を噤む‥



「…言えないことやっぱりしてたんだ‥」と里美が涙目で言った。



「…そんな事はしてない。してないけど…でも整理をしたいんだ‥
気持ちの整理をちゃんとしたいんだ‥
だから、里美…少し待ってくれないかな…」




里美はついに泣きだしてしまった…
「あの人の事、好きなんでしょ…?気になるんでしょ??」



「それは…違う‥好きじゃない‥でも‥気になるんだ…
頭では解ってても気になるんだ…」


俺はそう‥答える。


光本さんが「それって、好きって言ってるのも同然だよ」
と言って席を立った。



里美の手を引っ張り「帰ろう。」と言う。



里美はすすり泣きながら頷いた。



「最低!」と光本さんが捨て台詞を吐いて…



背後で叩きつけるような大きな音を出して帰って行った…