************* …もう三度目だろうか。 この電車に乗るのは。 風景も少し見慣れて来た。 田舎に行くに連れて一駅の間隔が少しずつ長くなる。 5つ目の駅で降りた。 潮の香りを嗅ぎながら、工場へと向かう。 やはりいつものオバサンが居た。 ペコリと会釈をする。 「あっらぁ~アンタまた来たのね。最近、熱心ね」 と意味ありげに微笑み、高宮さんを呼びに行った。 だけど… やはり、オバサンだけが戻って来た…