...ジリジリジリ

ジリジリ...

「...あー、うっさいなぁ…」

目覚ましの音で目を覚ます私。

頭の上で鳴っているその音を止めようと、

時計と向き合うと…

「は、8時?!やっば!!遅刻!」

あわてて飛び起き、新しい制服を着、部屋を

飛び出した。

階段を駆け降りると、お母さんが涼しい顔で

卵焼きを焼いていた

「あら、起きたの」


「起きたの…ってなんで起こしてくんなかったの!!」

「起こしたわよ?何度も。でもあんた、起きなかったから…...よいしょっと ご飯出来たから早く座りなさい?遅刻するわよ?」

そう言いながら 目玉焼きと白いご飯をテーブ

ルに置くお母さん。

ずいぶんと質素だ…。

そうは言われたものの、座ってゆっくり味わ

っている時間は、遅刻寸前の私にはない。

素早くお箸を持ち目玉焼きにかぶりつく。

ちょっとお行儀悪いけど…しょうがないよね?

「こら!夏目!!お行儀悪いわよ!」

思った瞬間お母さんの怒りが飛んできた。

「ご、ごめんふぁふぁい」

目玉焼きを口にいれたままもごもご謝って、

ごっくんと飲み込んだあと、

「行ってきまーす!!」

と、元気に叫び家を出た。