「・・・ところで、白木さんとウチの娘って・・・」
千秋の母親が、ニヤニヤしながらオレたちを見た。
おそらく、千秋とオレが付き合っていると勘違いしているのだろう。
「オレらは・・・「ダメだ!! こんなろくに挨拶も出来ん男はダメだ!!」
千秋の母親の思い違いを正そうとした時、何も始まっていない千秋との交際を、千秋の父親に大反対され、強く否定された。
開口一番に挨拶しなかったオレも悪いが、そっちだって、オレが挨拶しかけた時に遮ったじゃねぇか。
何となく納得のいっていないオレの様子に気付いたのか、
「ごめんなさいね、白木さん。 お父さんこそ余計な事言わないで下さいよ!!」
千秋の母親は、オレに困った顔を向けながら謝ると、千秋の父親を叱った。
「挨拶は大事だろうが!!」
が、千秋の父親は自分の嫁にまで当たり散らす。
「お父さんがそんな事ばっかり言ってるから、この子にいつまでたっても彼氏が出来ないのよ!!」
そんな千秋の父親を、『千秋に男が出来ないのはお父さんのせいよ!!』と言わんばかりに千秋の母親が責めた。
千秋の両親の言い合いにより、千秋に長い事彼氏がいない事が発覚。



