「・・・オーナーです」
一応オレはあの店のトップなわけで。
「あ、そうでしたか。 ・・・で??」
ただ、千秋の父親にとっては、そんな事はどうでも良い事で。
まぁ、そうなりますよね。 オレ、全く関係のない人間だし。
「あの・・・。 『篠田冬馬』の絵を見て、どう思いました??」
あんなに一生懸命描いた千秋の絵を、千秋の父親は本当に『下品』としか思わなかったのだろうか??
「・・・・・・」
無関係のオレの質問に、千秋の父親は答えてくれない。
「娘さん、あの絵を描くのにとても苦労されてたんですよ。 決して描きたいわけではない、描いたこともない絵を描くのに、色んな人にアドバイスもらいながら、一生懸命描いてました。 ワタシは、手抜きのない、すごく良い作品だと思います」
千秋の父親が何も話してくれない為、自分の意見を熱弁。
そんなオレの隣で、千秋が目を見開いてオレを見上げていた。



