雨の日に、キミと一緒に創るエロ。


  千秋の両親が少し前を歩いている。

 2人に追いつこうと千秋の手をぐいぐい引っ張るが、明らかに行きたくなさそうな千秋は、イラつく程にチンタラ歩きやがる。

 「さっさと歩けよ、短足が。 なんなら走れよ、鈍足が」

 「韻踏むなよ、ラッパー気取りかよ」

 「足短いよりましじゃ、ボケ」

 「ラッパーに謝れよ、韻の踏み方がダサいんだよ」

 千秋がくだらない口喧嘩で時間稼ぎをしようとしている。

 面白いから、うっかり乗っかってしまったではないか。

 つーかコイツ、敬語辞めやがった。

 あ、オレもか。

 てゆーかオレ、気短い方なんだよ。

 「腕、引き千切られたくなかったら走れ」

 いつまでもタラタラ歩く千秋の手首を握ったまま走り出してやった。

 「肩、はずれる!! 腕は商売道具なんだよ!!  やめろや!!」

 オレに引きずられながら、お菓子を買ってもらえない子どもの様に駄々をこねては大暴れする千秋。

 「売れてから言え!!  3流!!」

 そんな千秋の抵抗など、完全に無視。

 「腕千切られたら売れるモンすら描けなくなるだろうが!! そんな事も分からんのか!? パスタと一緒に脳みそまで茹で上げたんか?!」

 腕を引っ張られながら走る千秋は、足を縺れさせながら悪口三昧。
  
 言い訳ばかりしてきた人間というのは、口が達者で困る。

 漫画ばかり描いて運動して来なかった人間は、身体が動かなくて参る。

 つまり、コイツまじでしょーもない。